Kick Timesキュレーター能見です!
最近プロになってめちゃくちゃ強くなりたいって若者を見なくなりましたね。
いえ、昔からあんまりいないか。
小さい頃からキックや空手を習って、どこかでムエタイに路線変更みたいなのが現在の格闘エリートの主流でしょうか。
とにかく若いこ達が強くなって来ましたね。
今回の記事は前回のモンコン記事の続きで、ムエタイの試合の前の踊りワイクルーについて書いてみたいと思います。
参考までに動画も上げておきます!
タイに観光に行ったことのある方でムエタイを見たことがある方も多いのではないでしょうか?
試合前に頭に輪っか(モンコン)をつけて踊るのを見たことがあるでしょうか。
あの踊りをワイクルーと言います。
タイではあの頭に輪っかをつけて、ムエタイの音楽が流れ、ワイクルーを踊らなければムエタイの試合とは認められません。
ワイクルーとは相手に勝てますように、怪我しないように、師匠や父や母、神に感謝を捧げる祈りの踊りなのです。
ちなみにワイは合掌。クルーは先生を表すタイ語です。
ワイクルーの起源は今から400年ほど前にミャンマーとタイが戦争をした時のことでした。
ナイカノムトムというタイで一番強い一人のタイ人いました。
しかしナイカノムトムはミャンマーとの戦争でタイが負けてしまい捕虜になってしまいました。
そしてミャンマーの王がナイカノムトムに言ったのです。
「お前が12人のミャンマーの兵士と戦い、勝てば捕虜を解放しよう。」
ナイカノムトムはミャンマーの王に言いました。
「最後にお祈りをする時間をください。」
そうしてナイカノムトムは、勝てますようにという願い。こわくて震えている自分に勇気をくれますように、神や師匠、父や母に感謝をする祈りの踊りとしてワイクルーが産まれたのです。
ナイカノムトムは祈りの捧げながら周りの地形を見渡し、作戦を練ったのです。
見事に12人の兵士に打ち勝ち、タイの捕虜を解放したとしてナイカノムトムは英雄になったのです。
これがムエタイの試合の前にワイクルーを踊る所以になったと言われているお話しです。
この話はタイの学校でも習うそうです。
上記のお話しがあった日が3/17であったことから『ムエタイの日』とタイでは言われています。
ナイカノムトムに祈りを捧げ、みんなでワイクルーを踊ります。
私もこの日にアユタヤで1000人近い人数でワイクルーをしたことがあります。
ちなみにその時にみんなの前で模範演技したのはブアカーオ選手でした。
試合を見たり、したり、グッズを買えたり、ヤシの木を蹴り倒したり、ワイクルーをしたりと盛りだくさんのイベントでとっても面白かったですよ!
是非ご興味あられる方はこのタイミングでタイに行くのをお勧めします。
試合前にワイクルーを踊ることはとても良い事だと思います!
ワイクルーを実際に踊ってみるとわかるのですが、万遍なく体をストレッチすることができてアップの効果にとても最適です。
周りを見渡す時間もできますので心を落ち着けることもできます。
タイでのムエタイはギャンブルなのでこのワイクルーを見て選手をコンディションを見抜き、どちらの選手にかけるというギャンブラーがいるほど重要です。競馬でいうところのパドックに近い扱いにもなります。
またワイクルーには色々な形がありその地方の色を表したり、個性を表したりするものもあります。
キックボクシングの歴史に比べてムエタイの歴史はとても長く、その分奥が深いです。
何年もの前からの言い伝えなので事実は不明ですが成り立ちくらいは知っておきたいものですよね。
ワイクルーも自身で踊れるように是非勉強して見てくださいね!
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