目次
このページの総論
・インローは、自分の前足で相手の前足の内ももを狙う、速くてコンパクトな蹴りです。
・力まず、振りかぶらず、膝から先をしならせて「当てて、すぐ戻す」のが基本です。
・初心者の二大ミスは「膝に当てる」ことと「足をキャッチされる」こと。距離と戻し方で防げます。
・練習はシャドー、サンドバッグ、ミットの順に。強さより、狙った位置に当てることを優先しましょう。
まえがき
こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。
「インローを蹴ってみたいけど、どこに当てればいいのか分からない」「蹴っても軽い音しか出ない」「相手の膝に当たって自分の足が痛い」。こんな悩みはありませんか。
インローは動作が小さいので簡単そうに見えます。ところが、狙う場所や戻し方にコツがあって、初心者がつまずきやすい蹴りです。
この記事では、インローの基本の蹴り方を4つのステップで説明します。よくあるミスの直し方、試合やスパーリングで「蹴っていいかどうか」を判断する目安、練習の順番も紹介します。
ローキック全般の当て方は別の記事で詳しく書いています。ここでは「インローならでは」の部分に絞ってお話しします。
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体験レッスンを見てみるインローってどんな蹴り?まずは狙う場所を知ろう
インローは「インサイドローキック」の略です。相手の太ももの内側(内もも)を狙うローキックのことです。
一番多いのは、自分の前足で相手の前足の内ももを蹴る形です。相手と自分の距離がいちばん近い足同士なので、少し足を上げるだけで届きます。
構えが逆の相手(オーソドックス対サウスポー)のときは、奥足(後ろ側の足)で蹴る形になることもあります。まずは前足のインローを覚えれば十分です。
インローの強みは、動作の小ささと速さです。外ももを蹴る普通のローキックのように、大きく体を回さなくても蹴れます。
そのため、距離を測る、リズムを作る、相手の足の動きを乱す、といった使い方に向いています。ダメージも、ラウンドが進むにつれて効いてくることがあります。
インローは「一発で倒す蹴り」ではなく、「速く当てて、試合の流れを作る蹴り」と考えると、力みが取れます。
インローの基本の蹴り方【4ステップ】
ここでは、前足で蹴る基本形を説明します。オーソドックス(左足が前)なら左足、サウスポー(右足が前)なら右足で蹴ります。
・ステップ1:構えと狙いを決める
いつもの構えで立ち、ガードは顔の高さに保ちます。狙いは相手の前足の内もも、膝のすぐ上あたりの柔らかい部分です。ここをはっきりイメージしてください。
・ステップ2:軽く踏み込む
蹴る直前に、後ろ足で床を軽く押して少しだけ距離を詰めます。このとき頭が上下に揺れると、動きが読まれやすくなります。スッと前に出るイメージで、体の高さは変えません。
・ステップ3:膝から先を振る
蹴り足の膝を軽く持ち上げ、膝から先を内側へ鞭のようにしならせて当てます。ミドルキックのように腰を大きく回す必要はありません。上半身は正面を向けたまま、足の振りだけで蹴るのがコツです。体が開くと、相手に崩しにくくなり、反撃ももらいやすくなります。
・ステップ4:当てたらすぐ戻す
当てた後は、足を元の構えの位置へすぐに戻します。戻しが遅れると、足をつかまれたり、カウンターをもらったりします。
当てる部分は、足首に近いスネで当てる人もいれば、足の甲でペチッと弾く人もいます。ジムや流派によって教え方が違うので、通っているジムの指導に合わせてください。
足の甲は、硬いものに強く当てると痛めやすい部位です。最初は軽い力で、当たる位置の感覚をつかむことを優先しましょう。
初心者がやりがちなミスと直し方
ジムで指導していると、初心者のインローには似た癖が出やすいです。代表的な4つを挙げます。
・ミス1:振りかぶる
足を大きく後ろに引いてから蹴ると、相手に「来る」と分かります。足を上げる動きを小さくして、予備動作を減らしましょう。
・ミス2:力んで当てにいく
力むほど動きが遅くなり、足も重くなります。蹴り始めは力を抜いて、当たる瞬間だけ軽く締めるつもりで蹴ってください。
・ミス3:低く当てて膝に入る
内ももを狙っているつもりでも、低くなると膝に当たります。膝は硬くて小さいので、蹴る側が痛める原因になりやすい場所です。狙いは膝の「上」と覚えてください。
・ミス4:体が流れてバランスを崩す
強く蹴ろうとして上体が倒れると、蹴った後に動けません。顔は相手に向け、軸足の上に体を乗せたまま蹴りましょう。
インローは「強く蹴る」より先に「同じ場所に、同じ形で当て続ける」ことを目標にしてください。
これができると、後から勢いを足していくのも楽になります。
蹴っていいか迷ったら?トレーナー目線の判断基準
ここからは、記事やフォーム解説だけでは見落とされがちな「判断」の話です。
判断基準1:蹴る前に「戻す先」を決めておく
インローは当てて終わりではありません。蹴った足をどこに戻すかまで決めておくと、キャッチされるリスクが下がります。初心者はまず、元の構えにまっすぐ戻すことだけで十分です。
相手の防御には、膝やスネで受けるブロック、下がってかわすステップバック、足をつかむキャッチなどがあります。蹴り足を長く出したままにしないことが、いちばんの対策です。
判断基準2:当たった感触で距離を直す
軽く弾む感触なら、おおむね狙いどおりです。逆に、ゴツッと硬い手応えがあったり、足が痛んだりしたら、膝や骨に当たっている可能性があります。
そのときは威力を上げる前に、距離と高さを見直しましょう。痛みが続く場合は、無理をせず医療機関で相談してください。
判断基準3:相手の反応を見てから連打する
相手が前足を引く、膝を上げて受けるなど、インローに慣れている様子なら、同じ蹴りを続けるのは避けましょう。ジャブからつなぐ、前蹴り(足の裏で押す蹴り)と交互に出す、といった工夫で変化をつけると当たりやすくなります。
判断基準4:ルールを確認する
膝の関節への打撃は、ほとんどのルールで禁止されています。また、フルコンタクト系の一部のルールでは、内ももへの打撃自体を認めていないものもあります。
出場する大会や、練習するジムのルールは事前に確認してください。スパーリングでは、膝に当てないように特に注意しましょう。
インローの練習は、この順番がおすすめ
初心者がいきなりサンドバッグを強く蹴るのは避けましょう。次の順番で進めると、フォームが安定しやすくなります。
・シャドーキック:鏡の前で、前足の膝を軽く上げて、戻すところまでを丁寧にくり返します。上半身が動いていないかをチェックします。
・サンドバッグ:サンドバッグを相手の前足に見立て、当てる高さを決めて蹴ります。最初は軽めに蹴り、慣れてから強さを足していくのが、足を痛めにくい進め方です。
・ミット打ち:ミットを持つ人に、内ももの高さに構えてもらいます。ミットは動いて当たる位置が変わるので、距離感が身につきます。
・コンビネーション:ジャブからインロー、インローと前蹴りの交互など、2〜3発の組み合わせから始めましょう。
スパーリングでは、スネやつま先を守るレガース(スネ当て)があると安心です。内ももを狙う練習でも、足先の保護は大切です。
練習の前には、股関節や太ももをしっかり動かして準備運動をしましょう。練習後のストレッチも習慣にしてください。
あとがき
インローは、前足で相手の内ももを速くコンパクトに狙う蹴りです。狙いは膝の「上」、振りかぶらず、膝から先をしならせて当て、すぐ戻す。この流れを守れば、初心者でも安全に覚えられます。
あわせて、蹴る前に戻す先を決めること、当たった感触で距離を直すこと、ルールを確認することも忘れないでください。
最初は軽い蹴りで構いません。同じ場所に、同じ形で当てられるようになれば、威力は後から必ずついてきます。焦らず、1本1本を丁寧に積み重ねていきましょう。
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