左ミドルの蹴り方を中級者向けに解説!サウスポーが威力と精度を上げるコツ

文:NOMI

左ミドルの蹴り方を中級者向けに解説!サウスポーが威力と精度を上げるコツ

このページの総論

・左ミドルは「軸足の回転」「腰から先に回す」「蹴った後の戻し」の3点で安定します

・威力が出ない原因は、脚だけで蹴っている、上半身が倒れているケースが多いです

・距離と入り方を整えると、捕まれにくく当たりやすくなります

・練習はシャドー、ミット、サンドバッグの順に、フォームを崩さず積み上げましょう

まえがき

こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。

「左ミドルを蹴っているのに、音が鳴らない」「相手に効いている気がしない」「蹴った後に右のパンチをもらってしまう」。サウスポーで、基本はひと通りできるようになった方ほど、こんな悩みにぶつかりやすいです。

私自身もサウスポーで、左ミドルが得意技です。指導していても、中級者の方の悩みは「力が足りない」より「力の伝え方」にあることがほとんどです。

この記事では、サウスポーの左ミドルについて、基本の流れの見直し、威力が出ない原因、距離と入り方、捕まれない戻し方、練習メニューの順で解説します。ローキックやカーフキックとは別の、「ミドルならでは」の視点でまとめました。

サウスポーの左ミドルの基本の流れを見直そう

サウスポーは左足が後ろ足(奥足)です。左ミドルは、オーソドックスの相手の右脇腹から右ボディあたりに当たる軌道になります。

右脇腹は肝臓に近い側なので、きれいに入ると相手が嫌がりやすい場所です。ただ、狙いすぎて力むとフォームが崩れます。まずは流れを整理しましょう。

・左足で床を押して、体重を前足側(右足)に乗せていく

・右足のつま先を外側に開き、かかとを返して軸足を回す

・腰を回転させ、その流れで左膝を引き上げる

・スネの部分を相手の脇腹に当てる

・当てたら素早く脚を戻し、構えを作り直す

ここで出てくる「軸足の回転」とは、支えている足のつま先の向きを変えながら回ることです。ピボットとも呼ばれます。軸足が回ることで腰が回りやすくなり、蹴りに体重が乗ります。

左ミドルは脚で蹴るのではなく、腰を回した結果として脚が飛んでいく技です。

この順番を意識するだけで、同じ力でも当たり方が変わってきます。

威力が出ない・伸びないときのチェックポイント

左ミドルが軽いと感じたら、力を足す前に次の点を確認してみてください。

・軸足のつま先が前を向いたまま蹴っていないか

・蹴る瞬間に上半身が大きく横へ倒れていないか

・膝から下だけで振っていないか

・蹴る前に肩や膝が動いて、予備動作が大きくなっていないか

・足の甲で当てていないか(スネで当てるのが基本です)

特に多いのが、軸足が回っていないパターンです。軸足が止まると腰が回らず、脚だけの手打ちならぬ「足打ち」になってしまいます。鏡の前でゆっくり蹴って、軸足のかかとが返っているか見てみましょう。

もうひとつは、上半身の倒れ方です。多少倒れるのは自然ですが、頭が大きく傾くとバランスを崩して戻しも遅れます。目線は相手に向けたままにしてください。

蹴る側の腕の使い方は、振り下ろして回転を助ける考え方と、ガードを保つ考え方があります。ジムや試合のルールによっても教え方が違うので、通っているジムの指導に合わせてください。

強く蹴ろうとして力むより、軸足・腰・スネの当たり方を整えるほうが、結果的に威力は上がります。

距離の取り方と入り方で当たる確率が変わる

左ミドルが外れる、あるいは浅くしか当たらない場合は、技術より距離の問題が多いです。

サウスポーは前足が右足なので、相手の前足(オーソドックスなら左足)と自分の右足が向かい合う形になります。この立ち位置の関係は、戦い方の基本にもつながりますが、ここでは蹴りの入り方に絞ります。

近すぎると膝が相手に当たって詰まり、遠すぎるとスネの先端だけが当たって効きません。スネの中ほどが脇腹に当たる距離を、シャドーやミットで体に覚えさせましょう。

入り方としては、右ジャブや左ストレートに続けて蹴る流れが基本です。パンチで相手のガードを上に意識させてから、脇腹へ蹴る形になります。

また、ステップで一歩入ってから蹴ると、距離が合いやすくなります。ただし、大きく踏み込むほど動きが読まれやすくなります。

蹴る直前に「溜め」を作らず、構えから同じ動きで出せるようになると、相手は反応しにくくなります。

中級者の課題は、この予備動作を小さくすることです。動画で自分の動きを撮って、蹴る前に肩や膝が動いていないか確認してみてください。

捕まれない・返されないための戻し方

ミドルキックは当たれば大きい技ですが、蹴った後は片足立ちになります。そのため、相手のキャッチやカウンターを受けやすい技でもあります。

まず、蹴った後はスネを当てたら素早く引くことを意識しましょう。脚を相手の体に預けたままにすると、腕で抱えられて崩されるおそれがあります。

次に、ガードです。左ミドルを蹴るときは、顎の前にある右手(前手)を下げないようにしてください。相手のオーソドックスの右ストレートは、蹴りに合わせて飛んでくることがあります。

蹴り終わった脚は、元の位置に戻すのが基本です。前に降ろして構えをスイッチする使い方もありますが、それは別の技術なので、まずは同じ構えに素早く戻れるようにしましょう。

戻しの練習では、蹴った後に1秒ほど止まってバランスを確認すると、ふらつきの原因が分かります。ふらつくなら、軸足の使い方か上半身の倒れ方を見直すサインです。

蹴った後の構えまでが「左ミドル」です。戻しが速い人ほど、次の攻撃にも移りやすくなります。

左ミドルを伸ばす練習メニュー

フォームを固めるには、段階を踏んだ練習がおすすめです。

・シャドーボクシング:ゆっくり蹴って、軸足・腰・戻しを確認します

・ミット打ち:距離とタイミングを体で覚えます

・サンドバッグ:スネの当たる位置と、体重の乗せ方を確認します

・片足立ちバランス:蹴った後の安定感を上げます

最初はスピードより、1本ずつ丁寧に蹴ることを優先してください。フォームが安定してから、少しずつスピードと強さを上げていきましょう。

ミットを蹴る練習では、当たる感触が分かる蹴り用のミットがあると便利です。ジムで借りるのが基本ですが、自主練にはこうしたアイテムも検討できます。

なお、スネや脇腹、股関節などに痛みが出た場合は、無理に続けないでください。痛みが続くときは、早めに整形外科などの専門医に相談しましょう。

あとがき

左ミドルの質を上げるカギは、次の4点でした。

・軸足を回して、腰から先に動く

・脚だけでなく、体全体で蹴る

・距離と予備動作を整える

・蹴った後の戻しとガードまで意識する

一つひとつは地味ですが、積み重ねると、同じ左ミドルでも見違えるほど変わります。まずは次の練習で、軸足のかかとが返っているかだけ確認してみてください。

焦らず、丁寧に。あなたの左ミドルが、試合やスパーリングで頼れる武器になることを応援しています!

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Kick Times 編集長。 プロムエタイ選手として日本とタイで試合を重ね、現在は格闘技のトレーナーをしながら業界初の格闘技コンサルタントとして活躍中。 NO KICK NO LIFEやLumpineeBoxingStadium of Japan認定レフリーとしても活躍。 女性の為のキックボクシングプログラム・Beauty Kick Projectディレクター。 特技はWEB制作で、趣味はカフェ巡り。

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