目次
このページの総論
・キックボクシングの呼吸は「打つ瞬間に短く吐く」が基本です
・息が苦しくなる大きな原因は、無意識に息を止めてしまうこと
・吸うのは技と技の合間。鼻でも口でも、楽な方で大丈夫です
・まずは腹式呼吸とシャドーで、呼吸のリズムを体に覚えさせましょう
まえがき
こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。
「ちょっと動いただけで息が上がる」「パンチを打っていると、なぜか頭が真っ白になる」。キックボクシングを始めたばかりの方から、こんな悩みをよく聞きます。
これは体力がないからではありません。呼吸の使い方をまだ知らないだけ、というケースがとても多いのです。
この記事では、超初心者の方に向けて、キックボクシングの呼吸方法を順番にお伝えします。打つときの吐き方、吸うタイミング、休憩中の整え方、そして自宅でできる練習まで。難しい理屈は抜きにして、今日から試せる形でまとめました。
初心者が息切れしやすい本当の理由
運動を始めたばかりの頃は、誰でも息が上がります。ただ、キックボクシングの場合は「息を止めてしまう」ことが原因になっている場面がよくあります。
パンチやキックを出すとき、人は力を入れようとして、無意識に息を止めてしまいがちです。緊張していればなおさらです。
ジムで指導していても、初心者の方は肩に力が入り、息を止めたまま技を出している様子をよく見かけます。本人は気づいていないことがほとんどです。
息を止めて動き続けると、体の中で酸素が足りなくなったように感じ、すぐに苦しくなります。さらに体も硬くなり、スピードも落ちてしまいます。
息切れの対策は、体力をつける前に「息を止めない」と意識することです。
まずは「呼吸している自分」に気づくところから始めましょう。それだけで、動きがぐっと楽になる方も多いですよ。
基本は「打つときに吐く」!パンチとキックの呼吸
キックボクシングの呼吸の基本は、とてもシンプルです。技を出す瞬間に、口から短く息を吐きます。
「シッ」「フッ」と、軽く音が出てもかまいません。ボクシングやムエタイの練習でも、吐く音を出しながら打つ光景はよく見られます。
ポイントは「打つ瞬間に短く吐く」こと。長く吐き続ける必要はありません。
具体的な流れは次のとおりです。
・構えている間は、普通に呼吸をしておく
・パンチやキックを出す瞬間に、短く「シッ」と吐く
・技を戻す間に、自然に息が入ってくる
ワンツー(ジャブとストレートの連打)のような連続技では、1発ごとに吐くのが理想ですが、最初は難しいものです。慣れないうちは「2発に1回吐く」くらいでも十分です。
私の得意技である左ミドルキックも、蹴る瞬間にフッと吐くのが基本です。蹴り終わったあとにバランスを整える余裕も生まれます。
また、一般的に、息を吐きながら打つとお腹まわりに力が入りやすく、相手の攻撃を受けるときの備えにもなると言われています。指導の現場でも、吐くクセをつけるよう伝えています。
吸い方は鼻?口?迷ったときの考え方
「吸うのは鼻と口、どちらがいいですか?」という質問もよくいただきます。
結論から言うと、超初心者のうちは、吸いやすい方で大丈夫です。無理に鼻だけで吸おうとすると、かえって苦しくなって呼吸が乱れてしまいます。
運動が激しくなると、鼻と口の両方で吸う方が自然です。「正しい吸い方」にこだわりすぎず、まずは止めないことを優先してください。
吸うタイミングについても、難しく考えなくて構いません。吐き切ったあとは、体が自然に空気を取り込んでくれます。
意識するのは「吐くこと」だけ。吸うのは体にまかせる、くらいがちょうどいいです。
なお、マウスピースをつけると、口で息がしにくく感じる方が多いです。その場合は、鼻から吸って、口の小さな隙間から吐くイメージで試してみてください。慣れるまでは時間がかかるので、焦らなくて大丈夫です。
ラウンド間と練習中の呼吸の整え方
練習が進むと、ミット打ちやスパーリングなど、ラウンドごとに動く場面が増えてきます。ラウンドとは、一定の時間を区切って行う練習や試合の単位のことです。
動いている最中に息が乱れてきたら、まず「肩の力を抜く」ことを意識しましょう。肩が上がっていると、呼吸が浅くなりやすいからです。
休憩中は、次のような流れで整えてみてください。
・ゆっくり立ったまま、肩を下げる
・鼻から吸って、口から長めに吐く
・水分補給をして、気持ちを落ち着ける
座り込むより、軽く歩いたり立ったままの方が、呼吸が整いやすいと感じる方も多いようです。ただ、体調には個人差があります。自分に合う方法を探してみましょう。
もし、練習中にめまいや強い息苦しさ、胸の痛みなどを感じたら、無理をせずすぐに中止してください。続くようなら、医療機関や専門医に相談することをおすすめします。
自宅でできる呼吸の練習方法
呼吸は、ジムだけでなく自宅でも練習できます。ここでは、超初心者向けの簡単な方法を紹介します。
ひとつめは、腹式呼吸です。お腹を意識して行う呼吸のことで、リラックスにも役立ちます。
・仰向けか楽な姿勢で、お腹に手を置く
・鼻から吸って、お腹がふくらむのを感じる
・口からゆっくり吐いて、お腹がへこむのを感じる
ふたつめは、シャドーボクシングでの練習です。シャドーとは、相手がいない状態で、動きを確認しながら技を出す練習のことです。
ワンツーを打つたびに「シッ」と吐く練習を、鏡の前でゆっくり行ってみてください。慣れてきたら、少しずつスピードを上げていきましょう。
呼吸も技術のひとつ。反復すれば、必ず体が覚えてくれます。
また、縄跳びのようなリズム運動も、一定のペースで呼吸する感覚をつかむのに役立ちます。無理のない範囲で取り入れてみてください。
あとがき
ここまで、キックボクシングの呼吸方法をお伝えしました。
大切なのは、技を出す瞬間に短く吐くこと、そして息を止めないことです。吸い方は楽な方で構いませんし、休憩中は肩の力を抜いて整えれば大丈夫です。
最初はうまくいかなくて当然です。呼吸を意識するだけで、動きにゆとりが生まれてきます。
まずは次の練習で「シッ」と吐くことから試してみてください。一歩ずつ進めば、きっと楽しくなってきますよ!
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