キックボクシングの睡眠と回復の関係は?初心者が疲れを残さない眠り方のコツ

文:NOMI

キックボクシングの睡眠と回復の関係は?初心者が疲れを残さない眠り方のコツ

このページの総論

・睡眠は、練習で受けた刺激を「強さ」に変える大切な回復の時間です。

・成人の睡眠時間は、国の指針で「6時間以上」が目安。必要な量には個人差があります。

・練習後のカフェイン、お酒、スマホ、食事のタイミングを整えると眠りやすくなります。

・眠れない状態が続く、頭痛や強い痛みがあるときは、専門医に相談しましょう。

まえがき

こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。

キックボクシングを始めたばかりの頃は、体のあちこちが重くて、「寝ても疲れが抜けない」と感じることがありますよね。反対に、練習後に体は疲れているのに、頭が冴えて寝つけないという声もよく聞きます。

そこで今回は「キックボクシングと睡眠・回復」をテーマにお話しします。なぜ睡眠が大事なのか、何時間を目安にすればいいのか、練習した日の夜をどう過ごせばいいのかを、初心者の方向けにまとめました。

難しい理論は抜きにして、今日から試せることを中心にお伝えします。気楽に読み進めてくださいね。

キックボクシングで睡眠が「回復」に大切な理由

キックボクシングは、パンチやキック、ステップ、そして体幹(お腹や背中まわりの体の軸になる部分)を総動員する運動です。慣れないうちは、使ったことのない筋肉に大きな負担がかかります。

トレーニングは、やった瞬間に強くなるわけではありません。練習で体に刺激を与え、そのあと休んで回復することで、少しずつ動ける体になっていきます。練習そのものと同じくらい、回復の時間が大切です。

その回復の中心にあるのが睡眠です。アスリートの睡眠に関する研究では、睡眠が不足すると筋力や持久力、集中力、疲労からの回復に悪影響が出ると、数多く報告されています。

また、軽い睡眠不足だと、自分では調子が落ちていることに気づきにくいという実験報告もあります。「少し眠いけど、動けているから大丈夫」と思っていても、実は反応や集中力が鈍っているかもしれません。

キックボクシングでは、集中力が落ちると防御が遅れたり、フォームが崩れたりしやすくなります。ケガを防ぐ意味でも、睡眠は練習の一部と考えてみてください。

睡眠時間はどれくらい必要?初心者の目安

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられるとして、少なくとも6時間以上を確保するよう勧めています。ただし、適正な時間には個人差があります。

つまり「何時間寝れば正解」という数字は、一人ひとり違います。目安にしたいのは、日中に強い眠気で困らないか、朝起きたときに休まった感覚があるか、という点です。

練習を始めたばかりの時期は、体が慣れていないぶん、いつもより眠くなる方も多いです。そんなときは、眠気を我慢せず、少し早めに布団に入るのがおすすめです。

もし今が6時間未満の日が続いているなら、まずは就寝時間を30分早めるなど、小さな工夫から始めるのが続けやすい方法です。いきなり生活を変えようとすると、長続きしません。

なお、同じガイドでは、平日の睡眠不足を休日の「寝だめ」で取り戻そうとすると、体内時計が乱れて健康を損なうおそれがあるとも指摘されています。休日に長く寝てしまう場合は、平日の睡眠が足りていないサインかもしれません。

練習した夜に眠れない…よくある原因と対策

仕事帰りにジムへ通う方は、夜の練習で気持ちが高ぶり、寝つきが悪くなることがあります。運動で体が温まり、交感神経(体を活動モードにする神経)が働いているためと考えられます。

まずは、次のような習慣を見直してみましょう。

・カフェイン:コーヒーやお茶、エナジードリンクなどに含まれます。効果の続く時間には個人差があり、人によっては8時間ほど続くこともあるとされています。練習前に飲むなら、量と時間に気をつけましょう。

・お酒:寝つきは早くなっても、眠りの後半に悪影響が出るとされています。「寝酒」で回復しようとするのは逆効果になりがちです。

・暴飲暴食:食べすぎ、飲みすぎは眠りを浅くしやすいです。練習後はしっかり食べたいところですが、量には気をつけましょう。

・スマホやパソコンのブルーライト:寝る直前まで見ていると、眠りの妨げになるといわれています。

練習前のカフェインについては、集中力を高めるために使う方もいます。ただ、夜に練習するなら、睡眠への影響も考えて量とタイミングを決めるのが大切です。朝にたくさん摂った場合でも、夜の睡眠に影響した可能性を示す研究があります。

夜の練習が続いて眠りにくい場合は、練習の強度を少し落としたり、可能なら早い時間帯に通ったりするのも一案です。

練習後から就寝までの過ごし方

回復を助けるために、練習後から寝るまでの流れをシンプルに整えてみましょう。難しいことはありません。基本は次の通りです。

・練習後に水分をとる(汗で失った分を補います)

・食事をとる(炭水化物とたんぱく質をバランスよく。夕食は寝る直前を避け、時間を空けるのが理想です)

・ぬるめのお風呂やシャワーで体を温めて、気持ちを落ち着ける

・軽いストレッチで、使った筋肉をゆっくり伸ばす

・寝る前はスマホを見る時間を減らし、部屋を暗めにして静かに過ごす

ストレッチは、痛みを感じない範囲で、呼吸を止めずにゆっくり行ってください。キックボクシングでは、太もも、お尻、股関節、肩まわりを使います。ふくらはぎや腰も、意外と張りやすい部分です。

セルフケア用の道具を使うのもよいでしょう。私は、無理なく続けられる回復の習慣を、ひとつだけでも決めておくことをおすすめしています。たとえば、フォームローラー(円筒形のストレッチ用の道具)で筋肉をほぐす時間は、気持ちを切り替えるスイッチにもなります。

ただし、強い痛みがある部分を無理に押したり伸ばしたりするのはやめましょう。

睡眠が足りない日の練習と、注意したいサイン

仕事が忙しくて睡眠が足りない日は、誰にでもあります。そんな日は、ミット打ちやスパーリングで気合いを入れすぎず、フォームの確認や軽めの動きを中心にする、という選択肢もあります。

疲れや眠気が強いと、集中力が落ちて、パンチやキックの軌道が雑になりがちです。ジムで指導していると、そういう日は普段より転びそうになったり、受けたときの反応が遅れたりしやすいので、無理をしないようお伝えしています。

眠れない状態が長く続く、日中の眠気が強い、といった場合は、生活習慣を見直しつつ、専門医に相談してください。睡眠ガイドでも、睡眠の不調が続くときは、病気が隠れている可能性にも注意するよう示されています。

また、スパーリングなどで頭に衝撃を受けたあと、頭痛やめまい、吐き気、ぼんやりする感じがあるときは、様子を見て済ませず、必ず医療機関で相談してください。関節や筋肉の強い痛みが続く場合も同じです。

睡眠は大切ですが、睡眠だけで何でも解決するわけではありません。食事、水分、練習の量と強度、休養日のバランスも合わせて考えていきましょう。

あとがき

今回は、キックボクシングの睡眠と回復についてお話ししました。睡眠は、練習で受けた刺激を体に定着させる大切な時間です。成人は6時間以上を目安に、自分に合った睡眠時間を探してみてください。

練習後の水分と食事、カフェインやお酒、スマホとの付き合い方を整えるだけでも、眠りの質は変わっていくはずです。眠れない状態が続くときや、痛み、頭の症状があるときは、専門医に相談してくださいね。

しっかり眠って、しっかり動く。そのくり返しが、あなたのキックを一歩ずつ強くしてくれます。今夜は少しだけ早く布団に入ってみましょう!

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Kick Times 編集長。 プロムエタイ選手として日本とタイで試合を重ね、現在は格闘技のトレーナーをしながら業界初の格闘技コンサルタントとして活躍中。 NO KICK NO LIFEやLumpineeBoxingStadium of Japan認定レフリーとしても活躍。 女性の為のキックボクシングプログラム・Beauty Kick Projectディレクター。 特技はWEB制作で、趣味はカフェ巡り。

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