左フックを当てるコツ!初心者が当たらない原因と直し方・練習法をやさしく解説

文:NOMI

左フックを当てるコツ!初心者が当たらない原因と直し方・練習法をやさしく解説

このページの総論

・左フックは腕を振る技ではなく、近い距離で体の回転を使って当てる技

・当たらない原因の多くは「距離が遠い」「大振り」「戻しが遅い」

・ジャブなど別のパンチの後に打つと、初心者でも当てやすくなる

・まずはシャドーとミットで、小さく速く打つ練習から始めよう

まえがき

こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。

「左フックを打っているのに、空振りばかり」「当たっても軽くて効いていない気がする」。そんなお悩みはありませんか?

初心者の方が最初につまずきやすいパンチが、実はフックです。まっすぐ打つパンチと違って、軌道が丸く、コツをつかむまで感覚が難しいんですね。

この記事では、トレーナーの視点から、左フックが当たらない原因と、当てるための具体的なコツをお伝えします。専門用語はできるだけ補足しますので、安心して読み進めてください。

左フックが当たらない主な原因

まず、なぜ当たらないのかを整理しましょう。指導していると、初心者の方の左フックには共通するクセがあります。

・相手との距離が遠すぎる

・腕だけで振ってしまい、大振りになる

・打つ前に拳が下がる、ひじが外に開くなど、予備動作が大きい

・打ったあとの戻しが遅く、次の動きにつながらない

どれも才能の問題ではありません。知識と練習で改善できる部分です。

なお、左フックは右構え(オーソドックス)なら前の手、左構え(サウスポー)なら後ろの手で打つパンチになります。私はサウスポーなので後ろの手の左フックですが、この記事では構えに関係なく通じるコツを中心にお話しします。

コツ① 距離は「ひじが曲がったまま届く」位置で

左フックが当たらない一番の原因は、距離です。

ストレートが届くくらいの距離で打つと、腕が伸びきってしまい、フックの軌道が大きく外を回ります。これでは当たる前に相手に見切られてしまいます。

フックは、ひじを曲げたまま届く近い距離で打つパンチです。

相手の顔にひじを曲げたまま拳が届くくらいの、ストレートよりも一歩内側の距離をイメージしてください。遠いと感じたら、腕を伸ばすのではなく、足で一歩踏み込んで距離を詰めます。

また、相手が動いている中で打つには、タイミングも大切です。たとえば、相手がパンチを出して止まった直後や、ガードが固まって動きが止まった瞬間は狙い目になります。

最初から動く相手に当てようとせず、まずはミットなど止まった的で、「この距離ならひじが曲がったまま届く」という感覚をつかみましょう。

コツ② 腕ではなく「腰と足」で打つ

次に、打ち方の基本です。左フックの流れは次のとおりです。

・拳をあごの横に置き、ひじを曲げた状態をつくる

・ひじを上げ、拳と前腕が床と水平に近くなるようにする

・左足の母指球(足の親指のつけ根)でひねり、腰と肩を回す

・回転の力で、拳が弧を描いて当たる

腕を振るのではなく、腰と肩の回転に腕がついてくる。このイメージがとても大切です。

腕だけで振ると、パンチが軽くなるうえ、ひじや肩に負担がかかりやすくなります。体の回転で打てると、力みが抜けて、スピードも出やすくなります。

拳の向きについては、手のひらが下を向く打ち方と、自分のほうを向く打ち方があり、指導者や流派によって考え方が異なります。初心者のうちは、手首がまっすぐに保てて、無理のない向きで構いません。

意外と見落としがちなのが、打つ前に拳を後ろへ引いてしまうクセです。相手に「今から打ちますよ」と伝えているようなものなので、拳はあごの横から、そのまま出すように意識しましょう。

コツ③ 単発ではなく「組み合わせ」で当てる

実際の場面では、いきなり左フックだけを打っても、なかなか当たりません。相手も見ているからです。

左フックは、別のパンチで相手の意識をそらしたあとに打つと当たりやすくなります。

初心者の方におすすめの組み合わせは次のとおりです。

・右構えなら、ジャブ、右ストレート、左フックの流れ

・サウスポーなら、右ジャブから左フックの流れ

・ボディ(お腹)へのパンチのあとに、顔への左フック

まっすぐ入るパンチでガードを前に固めさせると、横から回るフックが外側から入りやすくなります。ボディに意識を向けさせてから顔を狙うのも、定番の組み立てです。

そして、打ったあとはすぐに拳をあごの横へ戻し、反対の手でもあごを守ります。フックは体を回すので、戻しが遅いと正面ががら空きになりがちです。「打ったら戻す」まで1セットだと考えてください。

練習法と、気をつけたいこと

最後に、初心者の方が取り組みやすい練習法です。

1つ目は、鏡の前でのシャドー(相手がいない状態で打つ練習)です。拳を出す前にひじが開いていないか、打つ前に拳が下がっていないかを確認しましょう。ゆっくり打って、正しい形を体に覚えさせるのがポイントです。

2つ目は、拳を使わず、腰と足の回転だけを練習する方法です。拳をあごに添えたまま、母指球でひねって体を回します。腕に頼らない感覚をつかむのに役立ちます。

3つ目は、ミット打ちです。実際に当てる感覚と距離感がつかめますので、トレーナーや練習パートナーに構えてもらいましょう。ジムに通っている方は、ぜひミット練習でフックをたくさん打ってください。

サンドバッグや相手に打つ練習をするなら、グローブも用意しておきたいところです。

なお、練習中に肩・ひじ・手首などに痛みや違和感が出たときは、無理に続けないでください。痛みが続く場合は、整形外科などの専門医に相談しましょう。

初心者のうちは、強く打つよりも、小さく、速く、正しい形で打つことを優先してください。威力は、形が整ってからついてきます。

あとがき

左フックを当てるコツは、「近い距離で」「腰と足の回転で」「ほかのパンチと組み合わせて」打つことでした。

当たらない原因は、距離、大振り、予備動作、戻しの4つに整理できます。どれも練習で少しずつ直せるものです。

はじめから完璧に当てようとせず、まずは鏡の前のシャドーから、ひとつずつ試してみてください。コツがつかめた瞬間の気持ちよさは、きっと練習の励みになりますよ。

あなたの左フックが、ズバッと決まる日を楽しみにしています!

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Kick Times 編集長。 プロムエタイ選手として日本とタイで試合を重ね、現在は格闘技のトレーナーをしながら業界初の格闘技コンサルタントとして活躍中。 NO KICK NO LIFEやLumpineeBoxingStadium of Japan認定レフリーとしても活躍。 女性の為のキックボクシングプログラム・Beauty Kick Projectディレクター。 特技はWEB制作で、趣味はカフェ巡り。

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