カーフキックの蹴り方を初心者向けに解説!狙う場所と当て方、注意点

文:NOMI

カーフキックの蹴り方を初心者向けに解説!狙う場所と当て方、注意点

このページの総論

・カーフキックは、相手のふくらはぎ付近を低い軌道で狙うローキックの一種

・太ももではなく、膝下の外側〜裏側を「横からひっかける」イメージで蹴る

・初心者はまず前足で、ミットやサンドバッグを使って距離感と当て方を覚える

・カットされると自分の足も痛めやすいので、安全面の意識がとても大切

まえがき

こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。

試合中継で「カーフキック」という言葉を聞いて、「あれって、どうやって蹴るの?」「普通のローキックと何が違うの?」と気になって検索された方も多いのではないでしょうか。

ふくらはぎを蹴る、と言われても、実際にどこを・何で・どんなふうに当てるのかは、動画を見ただけだと意外とつかみにくいものです。

この記事では、すでにある「ローキックの体重の乗せ方」や「ローキックのディフェンス」の話とは少し角度を変えて、カーフキックならではの狙い方と当て方に絞ってお話しします。

初心者の方でもイメージしやすいように、用語も補足しながら進めますね。

カーフキックとは?ローキックとの違いを整理しよう

カーフキックの「カーフ(calf)」は、英語でふくらはぎのこと。その名のとおり、相手のふくらはぎ付近を狙う蹴りです。

ローキックの一種で、一般的なローキックが太ももを狙うのに対し、カーフキックは膝より下を狙います。

日本で一気に知られるようになったのは、2020年の大晦日のRIZINがきっかけと言われています。ただ、ふくらはぎ付近を蹴る技そのものは、以前から「インロー」などの形で使われていたという見方もあります。名前がついて注目された、というイメージですね。

太ももは筋肉が厚く、蹴られても衝撃をある程度吸収してくれます。一方、ふくらはぎ付近は筋肉が薄く、神経も通っているため、少ない回数でも相手の踏ん張りやフットワークに影響が出やすいと言われています。

太ももを狙うローキックは「深く腰を入れて重く叩き込む」蹴りですが、カーフキックは「低く、速く、正確に当てる」蹴りです。同じローキックでも、考え方が少し違います。

狙う場所と、当てる部位を知ろう

まずは「どこを狙うか」です。目安は、相手の膝下の外側から裏側にかけてのふくらはぎ付近。筋肉が薄い部分ほど効きやすいと言われます。

構えがお互い同じ向きの場合、前足を狙うことが多いので、相手の前足のふくらはぎが主なターゲットになります。

次に「自分のどこで当てるか」。これは指導者や選手によって考え方が分かれる部分です。

・すねの下の方(足首に近いあたり)で当てる

・足首から足の甲にかけての部分で、ひっかけるように当てる

どちらも見かけますが、共通しているのは、すねの真ん中ではなく、より先端寄りで当てる意識があることです。

足の甲で当てる方法は、相手の足に引っかかる感覚をつかみやすい反面、空振りしたり足首が硬い状態で当てたりすると、自分の足首にも負担がかかります。初心者の方は、まずミットなどで感覚を確かめながら、無理のない当て方を探してください。

基本の蹴り方を4ステップで覚えよう

初心者の方には、まず前足を使ったカーフキックをおすすめします。後ろ足は威力を出しやすい一方、相手にすねでカットされたときに自分の足を痛めるリスクが高いと言われているからです。

手順はこの4つです。

・ステップ1:構えから、体重を少し後ろ足側に預けて、前足を軽くする

・ステップ2:腰を回しながら、膝から先を低く振り出す

・ステップ3:相手のふくらはぎに、横からひっかけるように当てる

・ステップ4:当てたらすぐに足を戻し、元の構えに戻る

ポイントは、足だけで蹴らず、腰の回転で足を運ぶことです。足先だけで蹴ると、軽くて当たりも浅くなりがちです。

そして、蹴っている間も両手のガードは下げないこと。カーフキックは軌道が低い分、蹴り終わりに上半身が下がってしまい、相手のパンチをもらいやすくなります。

サウスポー(左構え)の場合は前足が右足になりますが、考え方はまったく同じです。左右を入れ替えて練習してみてください。

初心者がやりがちな失敗と、注意したいポイント

ジムで指導していると、カーフキックを練習し始めた方に共通しやすい失敗がいくつかあります。

・距離が近すぎて、すねの真ん中に当たってしまう

・軌道が高くなり、普通のローキックになってしまう

・蹴ったあとに体が前に流れ、ガードが下がる

・足首に力が入りすぎて、足を痛める

まず、距離です。カーフキックは、相手に少し「届くかどうか」くらいの間合いで蹴るほうが、先端寄りで当てやすくなります。近すぎると、どうしても詰まってしまいます。

もうひとつ大切なのが、リスクの理解です。軌道が低いので、相手のパンチをもらいやすかったり、すねでカットされたりすることがあります。カットされると、蹴った側の足にも大きな負担がかかるため、「いつでも蹴ればいい技」ではありません。

相手の動きをよく見て、相手が前足に体重を乗せていないタイミングや、パンチの出がかりなどを狙うと、無理なく当てやすくなります。

なお、蹴ったあとやスパーリング後に、足に強い痛みや腫れ、しびれを感じたときは、自己判断で続けず、整形外科などの専門医に相談してください。

ひとりでもできる練習方法と、そろえたい道具

カーフキックは、いきなり人に当てる練習をするのはおすすめしません。まずは次の順番で進めましょう。

・シャドー(相手を想像して空中で蹴る)で、低い軌道と腰の回転を確認する

・サンドバッグやキックミットで、当たる位置と距離を確認する

・慣れたらパンチと組み合わせて、タイミングを練習する

試合では、カーフキックの前に上へのパンチやフェイントを混ぜることで、ふくらはぎに意識を向けさせない工夫も見られます。ただ、初心者の方はまず、ワンツーのあとに一発だけ低く蹴るくらいの簡単な組み立てで十分です。

ミット打ちでは、トレーナーに「ふくらはぎの高さ」にミットを構えてもらうと、軌道の確認がしやすくなります。

スパーリングやマスで蹴り合う練習をするときは、すねや足の甲を守るプロテクターがあると安心です。

なお、蹴られる側の練習も大切です。カーフキックへの対応は、膝やすねの向きを変えてカットするなど、いくつかの方法があります。ディフェンスの基本は、既存のローキックのディフェンス記事も参考にしてみてください。

あとがき

カーフキックは、ふくらはぎ付近を低い軌道で狙うローキックの一種です。難しく見えますが、基本は「低く・腰の回転で・横からひっかける」の3つ。

まずは前足で、ミットやサンドバッグを使い、距離感と当てる部位を確認するところから始めてみてください。

そして、カットされたときのリスクや、足の痛みへの向き合い方も忘れずに。安全に練習を積み重ねれば、ローキックの引き出しがひとつ増えて、キックボクシングがもっと楽しくなりますよ。焦らず、一歩ずついきましょう!

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Kick Times 編集長。 プロムエタイ選手として日本とタイで試合を重ね、現在は格闘技のトレーナーをしながら業界初の格闘技コンサルタントとして活躍中。 NO KICK NO LIFEやLumpineeBoxingStadium of Japan認定レフリーとしても活躍。 女性の為のキックボクシングプログラム・Beauty Kick Projectディレクター。 特技はWEB制作で、趣味はカフェ巡り。

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