キックボクシングのプロテスト内容を徹底解説!上級者が見るべき審査の本質

文:NOMI

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キックボクシングのプロテスト内容を徹底解説!上級者が見るべき審査の本質

このページの総論

・プロテストの内容は団体やジムごとに違うので、まず最新の要項を確認する

・中心は筆記試験とスパーリング。KOより「基礎を安全に出せるか」が見られる

・上級者ほど「勝つスパー」より「見せるスパー」を意識する

・健康診断や書類の準備も、受験の大事な一部

まえがき

こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。

アマチュアで試合を重ねて、ジムの会長からも「そろそろプロテストを」と言われた。でも、実際に何をやるのかはっきり分からず、モヤモヤしていませんか。

検索すると「筆記とスパーリング」という説明はすぐ見つかります。ただ、上級者が知りたいのは、その先ではないでしょうか。何を見られていて、どこで差がつくのか、ということです。

この記事では、プロテストの内容を団体ごとの違いも含めて整理します。そのうえで、トレーナー目線の「受けるかどうかの判断基準」もお伝えします。

なお、直前の追い込み練習の内容は別の記事で扱っています。ここでは「テストそのものの中身と見られ方」に絞ります。

プロテストの中身は「団体ごと」に違います

最初に押さえておきたいのは、キックボクシングには全国共通のプロテストがないことです。

プロテストは大小10以上の団体ごとに行われ、それぞれが独自に実施していると紹介されています。ボクシングのように統一された試験をイメージしていると、ズレが出ます。

では、どの団体を受けるのか。基本は自分が所属しているジムが加盟している団体のプロテストです。

内容は団体によって異なりますが、通常は筆記試験と実技試験(スパーリング)を同日に行うのが一般的です。ここが共通の骨組みです。

ただし、細部はかなり違います。たとえばWMC JAPANのプロテストは、基本的に筆記試験と体力テストがあると公式に案内されています。

J-NETWORKについては、スパーリングの強さより、基本テクニックやフォーム、ミット蹴り、腕立て伏せ、腹筋運動での体力が審査されるという紹介があります。

さらに、ジム独自の仕組みもあります。スターライトジムの例では、級ごとの昇級試験があり、1級に合格するとプロテストを受審できるという段階式になっています。

つまり、同じ「プロテスト」でも、スパーリング中心の団体もあれば、体力テストを細かく見る団体もあります。ネットの一般論より、受験先の最新の要項と、ジムが把握している実情が一番の正解です。

また、すべての団体でプロテストが必要というわけではありません。出たい興行の団体がどういう仕組みなのかも、早めに確認しておきましょう。

申し込み前に確認したい条件・検査・費用

上級者の方が意外と見落とすのが、スパーリング以前の部分です。

WMC JAPANの案内では、受験資格として満16〜35歳(原則)で、アマチュア大会などの試合経験が5戦以上とされています。年齢や試合数の条件は団体ごとに違います。

年齢の上限は緩和傾向にあり、30代後半や40代でも合格できる団体が増えているという解説もあります。ただ、これは団体次第です。必ず公式の要項で確かめてください。

検査や書類の例としては、次のようなものがあります。

・ジム代表者の許可(署名)

・B型肝炎やHIVなどの血液検査結果

・頭部MRIなどの検査(ジムや団体によって要否が違います)

スターライトジムは、頭部MRI検査や血液検査を必要とすると案内しています。

検査は予約が取れるまで時間がかかることがあります。申込期限から逆算して、余裕をもって動きましょう。

なお、検査で気になる所見が出た場合は、自己判断せず、必ず医師の指示に従ってください。

費用の目安は、受験料がおおよそ5,000円〜10,000円程度で、不合格でも返金されないとする解説があります。これに検査費用が別にかかる場合があります。

持ち物も要項で確認が必要です。防具やグローブの指定がある場合があるので、確認してから揃えるのが安全です。

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実技(スパーリング)で見られるポイント

筆記試験は、基本的にそれほど難しくありません。事前に渡されるルールブックなどを読んでおけば合格できるレベルとされています。ただ、反則の扱いなどは、プロとして身を守る知識でもあります。サラッとでも目を通しておきましょう。

本命はスパーリングです。ここで押さえておきたいのは、勝敗が目的ではないことです。

スパーリングの目的は、プロと宣言できるだけの技術と能力があるかを確かめることとされ、KOは合格の条件ではありません。

見られやすいポイントを、私なりに整理します。

・ガードが下がっていないか

・スタミナが切れていないか

・基本に沿ったフォームで攻撃できているか

・被弾しても気持ちが折れず、対応できているか

これらは、ガード、スタミナ、フォーム、打たれても立ち向かう姿勢が総合的に審査されるという解説とも重なります。

キックボクシングならではの点もあります。キックの技術が重視され、攻撃だけでなくディフェンスも含めて見られるとされています。

たとえばミドルキックなら、蹴ったあとのガードや戻りまで見られます。僕は左ミドルが得意なので分かりますが、強い蹴りほど、打ったあとの上体と手の位置が崩れやすいものです。

また、一方的な展開で防戦一方になったり、スタミナ不足で最後は立っているだけになったりすると不合格になるという指摘もあります。

限られた時間で技術を見せられなかった場合、再度のスパーリングになることもあるようです。

なお、スパーリングの形式は団体で異なります。相手が受験者同士の場合もあれば、新日本キックボクシング協会の説明では、通常はプロ選手が相手と紹介されている例もあります。事前に確認しておくと安心です。

上級者ほど陥りやすい「勝つスパー」の罠

ここからは、トレーナー目線のお話です。

アマチュアで経験を積んだ選手は、スパーリングになると、つい「勝ちにいく」動きになりがちです。得意技で流れを取り、ポイントを稼ぐ。試合ならそれが正解です。

でもプロテストは、試合ではなく審査です。審査員が見たいのは「勝つ強さ」より「崩れない基本」です。

指導していると、上級者ほど次のような癖が出やすいと感じます。

・得意技に頼りすぎて、攻撃のパターンが単調になる

・大きく振って、打ったあとのガードが空く

・相手が強いと感じた瞬間に、手数が止まる

・1ラウンド目に飛ばして、後半に失速する

特に、2ラウンド程度の短い審査では、序盤の入り方が印象を左右します。ペース配分を崩すと、最後に動きが落ちるのが目立ってしまいます。

そこで、僕がおすすめしたい判断基準を2つ挙げます。

1つ目は、スパーリングを動画で撮って、「打ったあとの手の位置」を確認することです。強い技を出した直後に、ガードが戻っているか。そこを見るだけで、課題がかなり見えてきます。

2つ目は、「最初のラウンドと最後のラウンドで、動きの質が同じか」を確認することです。ここが落ちる人は、合格が見えていても、受験を少し待つ選択肢があります。

得意技を封印する必要はありません。ただ、基本の型の中で出すことが大切です。審査を意識して、基礎を見せたうえで、技を見せる。この順番を意識してみてください。

受けるかどうかの判断基準とジムとの詰め方

プロテストの合格率は、団体やその回の受験者によって変わります。ある解説では、ジムの許可を得てから受けている場合、50〜70%程度で合格するケースが多いとされています。ただし、公式に公表された数字ではなく、目安として受け止めてください。

大事なのは、数字より「受験できる状態かどうか」です。僕なら、次の3点で判断します。

・いつ、誰とスパーリングをしても、基本フォームが大きく崩れないか

・最後のラウンドまで、手数とガードが落ちないか

・受験する団体の要項、検査、書類の準備が済んでいるか

そして、ジムの会長やトレーナーとは、次の点を事前に話しておきましょう。

・受験する団体と、その団体で出たい興行のイメージ

・スパーリング相手と、形式(ヘッドギアの有無、ラウンド数など)

・デビュー戦までのスケジュール

プロテストは、ゴールではなくスタートです。合格した後に、どの団体の、どんな試合に出るのか。そこまで描けていると、準備の優先順位がはっきりします。

「受かるか」より「受かったあと、どう戦うか」から逆算するのが、上級者の考え方です。

もし不合格だったとしても、課題が明確になったと捉えれば、次の成長につながります。再受験の条件は団体ごとに違うので、結果が出たらジムを通じて確認してください。

あとがき

プロテストの内容をまとめます。

・内容は団体ごとに違う。まず公式の要項と、ジムの情報を確認する

・基本は筆記試験とスパーリング。団体によっては体力テストもある

・スパーリングはKOより、ガード、スタミナ、フォーム、ディフェンスなどの基本が見られる

・上級者は「見せるスパー」を意識し、打ったあとのガードと最終ラウンドの質を確認する

・検査や書類は早めに準備し、デビューまでの流れをジムと共有する

ここまで積み上げてきた経験は、きっと審査でも活きます。落ち着いて準備して、胸を張ってリングに上がってください。応援しています!

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Kick Times 編集長。 プロムエタイ選手として日本とタイで試合を重ね、現在は格闘技のトレーナーをしながら業界初の格闘技コンサルタントとして活躍中。 NO KICK NO LIFEやLumpineeBoxingStadium of Japan認定レフリーとしても活躍。 女性の為のキックボクシングプログラム・Beauty Kick Projectディレクター。 特技はWEB制作で、趣味はカフェ巡り。

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