目次
このページの総論
・ヘッドギアが必要になるのは、人と向き合って打ち合う「スパーリング」を始めるときからです
・シャドーやミット打ち、サンドバッグだけの練習なら、基本的に着ける必要はありません
・試合は大会ごとのルール次第。アマチュアは着用が決まっていることが多く、プロは着けないのが基本です
・買う前にジムの貸し出しを確認すれば、慌てて買う必要はありません
まえがき
こんにちは!Kick Timesキュレーターの能見です。
「キックボクシングを始めたいけれど、ヘッドギアは最初から買わないといけないの?」「顔を殴られるのが怖くて、一歩が踏み出せない…」そんなお悩みで、この記事にたどり着いた方も多いと思います。
ご安心ください。結論から言うと、超初心者の方が入会してすぐにヘッドギアが必要になることは、ほとんどありません。
この記事では、ヘッドギアが「いつ」必要になるのか、試合ではどうなのか、ヘッドギアで何を守れて何が守れないのか、そして選び方まで、順番にお話しします。ジム入会時の持ち物全般については、サイト内の別の記事もあわせて読んでみてくださいね。
ヘッドギアが必要になるのは「スパーリング」から
まず、ヘッドギアとは頭と顔まわりを守る防具のことです。頬やこめかみ、額などにクッションが入っていて、パンチやキックが当たったときの切り傷や打撲を減らす役割があります。
これを着けて行う練習の代表が「スパーリング」です。スパーリングとは、相手と実際に向き合って、攻撃も防御も使いながら行う実戦形式の練習のことです。
ジムによって方針は違いますが、多くの場合は、基本の構えやパンチ、キックを覚えてから、少しずつ対人練習に進みます。ですから、最初の数か月は「ヘッドギアなし」で通う方も珍しくありません。
ヘッドギアが必要になるのは、相手の攻撃が自分の顔や頭に届く練習を始めるときからです。
逆に言えば、「ヘッドギアを持っていないから始められない」ということはありません。体験や入会の段階で、買わなくても大丈夫です。
練習メニュー別|ヘッドギアが要る・要らない
練習の種類ごとに整理してみましょう。
・シャドーボクシング(相手なしで動く練習)…要らない
・サンドバッグ打ち…要らない
・ミット打ち(トレーナーが持つミットを打つ練習)…基本的に要らない
・約束事のある軽い対人練習(技を決めた形で攻防する練習など)…ジムの指示に従う
・スパーリング…着用するのが一般的
ミット打ちは、ミットを打つ側が顔を打たれることはほとんどありません。ダイエットや運動不足解消が目的の方は、ヘッドギアを使わないまま楽しんでいる方も多いです。
スパーリングをする場合は、ヘッドギアに加えて、マウスピースやすねを守るレガース、ジムによっては膝当てなどの防具を求められることもあります。必要な物はジムごとに違うので、スタッフやトレーナーに聞くのが一番確実です。
防具について迷ったら、買う前に「ジムで貸し出しはありますか?」と聞いてみてください。
ジムによっては貸し出しをしているところもあります。ただし、汗が気になる方や、サイズが合わない方は、慣れてきたころに自分用を持つと快適です。
試合ではヘッドギアは必要?アマチュアとプロの違い
「いつか試合に出てみたい」という方もいると思うので、試合のルールも触れておきます。
一般的に、プロの試合はヘッドギアなしで行われます。そのため、プロ志望の選手でも、普段の練習ではヘッドギアを着けてスパーリングをしています。
いっぽう、アマチュアの大会は主催団体によってルールが違います。ヘッドギアの着用が決まっている大会が多く、クラスや年齢、階級によって、ヘッドギアの形(フェイスガードの有無など)まで細かく決められていることもあります。
たとえば、衛生面の理由から「ヘッドギアは出場者が各自で用意すること」と決めている大会もあれば、主催側で貸し出す大会もあります。実際に出場を考えるときは、必ず大会の公式ルールを確認してください。
なお、ボクシングのアマチュア競技では、男子シニアの試合でヘッドギアが廃止された時期がありました。このように、ルールは時代や団体によって変わります。「ヘッドギアは必ず着けるもの」と決めつけず、その時々の最新ルールを見ることが大切です。
ヘッドギアでも守れないものがある
ここは超初心者の方にこそ知っておいてほしい大切なポイントです。
スポーツ医学の分野では、ヘッドギアは頭の切り傷などの外傷を減らす効果が報告されています。その一方で、脳震盪(頭への衝撃で脳が揺れ、頭痛やふらつき、吐き気などが出る状態)を防ぐ効果については、はっきり示されていないとされています。
ヘッドギアを着けても、頭への衝撃がゼロになるわけではありません。
そのため、安心感から防御がおろそかになったり、「着けているから強く打ち合っても大丈夫」と思ったりするのは危険です。
指導していて大切だと感じるのは、ヘッドギアを着けたうえで、次の3つを守ることです。
・力を抜いた「ライトスパーリング」から始める
・ガードや距離の取り方など、ディフェンスの基本を先に身につける
・疲れてきたら無理をせず、早めに止める
練習後に頭痛やめまい、気持ち悪さなどが続く場合は、自己判断で我慢せず、トレーナーに伝えたうえで医療機関に相談してください。
初めてのヘッドギアの選び方
スパーリングを始める時期が近づいたら、自分用を選んでみましょう。大きく分けると、次の3タイプがあります。
・オープンタイプ…視界が広く動きやすい。顔の保護は少なめ
・フェイスガードタイプ…頬や鼻まわりにバーなどが付き、視界と保護のバランスがよい
・フルフェイスタイプ…顔全体を覆うので安心感が高い。視界は狭くなりやすい
超初心者の方には、まずフェイスガードタイプが選びやすいと言われます。ただ、体格や好み、ジムの方針で合うものは変わります。トレーナーに相談して決めるのがおすすめです。
選ぶときのポイントは次のとおりです。
・あごまわりのガードがしっかりしているか
・目の周りにグローブが入りすぎない形か
・頭のサイズに合い、動いてもずれないか
・視界が確保できて、ガードを上げたときに邪魔にならないか
お店で試着できるなら、ぜひ被ってみてください。ネットで買う場合は、サイズ表を確認し、ジムの方針も聞いてからにしましょう。
お子さんや小柄な女性の方は、サイズが合わないと視界がふさがれやすくなります。専用サイズや調整機能のあるものも探してみてください。
あとがき
今回は、キックボクシングでヘッドギアが必要になる場面を整理しました。
シャドーやミット打ち、サンドバッグ中心の練習なら、最初からヘッドギアを買う必要はありません。必要になるのは、スパーリングを始めるときです。
試合は大会ごとにルールが違うので、出場を考えたら公式ルールを確認しましょう。そして、ヘッドギアは頼もしい防具ですが、万能ではありません。基本の防御と、段階を踏んだ練習が一番の守りになります。
「怖いかも」と感じる気持ちは、実はとても大切な感覚です。焦らず自分のペースで進めていきましょう。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。楽しく安全にキックボクシングを続けていきましょうね!
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